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Characo-能登俊人-

場所:ギャラリー悠玄 [京都] 会期:2018.11.13 - 2018.11.18

3つの点を人の顔と認識する脳の働きをシミュラクラ現象という。 壁や天井のシミ、町中の一見関係もなさそうなゴミ、物の配置の中に、不意に顔をみつけてし まう瞬間が誰しも経験としてあるかと思う。 現れ、消える顔の存在はどこかコミカルでいて、冷たくて、ものによっては多少寂しげにも思 える。 けれど、大方そんな顔のことなどすぐ忘れるし、特に話題にも上がらない。 顔に見えて「それがなんなのか」「私の生活を変えてくれるのか」と。 シミュラクラ現象で現れる顔は実態のない認識でしかない。 そこに本当の人がいるわけではない。 けれど、実態のある人に対する認識はどうなんだろうかとたまに考える。 私や、誰か、今これを読んでいるあなたから見た他人という存在や認識はどこにあるのだろう か。 役所の書類の文字かもしれない。 メディアやインターネットサービスの中かもしれない。 お気に入りの本の中にあるのかもしれない。 隣の国の人、隣の家の人、隣の席の人。 さっきすれ違った人、何十年も前にすれ違った人。 距離や縁、血も近い肉親が他人のようにぼやけることもある。 記録や記憶の中に現れ、消えていく他人の顔。 3つの点は余計な造作が少ない分、きっと誰かの顔になってくれるのかもしれない。 悲しい報告、楽しい報告、他愛もないテキストやデータの行き来を眺めて、浮かぶ顔、他人。

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