検索~ギャラリーを実見する

レンタルギャラリーでの展示は作家さんによっても、借りるギャラリーによっても千差万別です。一概にこれといった方法・手順があるわけではないですが、ここでは大まかな流れを、一例として紹介します。

「ギャラリーでの展示しよう!」と決めたなら、まずは希望に見合うギャラリー探しかスタートです。探す際の基準となるポイントはこちらの記事を参考にしながら、自分の作品の形態や、ジャンルに合ったギャラリーを見つけ出しましょう。空き状況をネットで公開しているギャラリーも多数あります。人気の高いところでは、半年前でも予約が埋まっていることがありますので、目的にかなった場所を見つけやすくするためには、おおむね半年~1年程度、開催期日については余裕を持っておいたほうがよいでしょう。

希望に合うギャラリーがネットで見つかったら、必ず現地に出向いて実見しましょう。床面積の数字やネット上の写真だけでは、実際の広さはつかみにくいですし、壁や照明の配置、使える什器の種類など、自分の作品の展示や目的と合致するか、実際に目で見て確認してください。トラブルを避けるためにも、事前に問い合わせてから行くのがベストですが、そのときに開催されている展示を鑑賞するついでに、ギャラリー自体も見学してしまうというのもありでしょう。その際は、他の来場者の迷惑にはならないように、くれぐれも気をつけてくださいね。

実見~契約

「ここでやる!」と決めたら、次はギャラリーと契約を結びます。ホームページ上の問い合わせフォームから申し込むか、ギャラリーを見学した際に、スタッフの方へ展示を行いたい旨を伝えましょう。その際、ギャラリー側から作品の内容を確認されることが多いので、簡単なポートフォリオはあらかじめ用意しておきましょう。作風・作品によってはギャラリーのコンセプトと合わないという理由で、展示を拒否される場合もあります。契約の際によく確認してもらってください。

契約・支払いの方法はギャラリーにもよりますが、契約の時点で頭金として半額、搬入時に残りの分を支払う、というところが多いようです。申込時にはあまり考えないかもしれませんが、万が一キャンセルせざるを得ない状況になった場合の違約金についても、忘れずに確認しておきましょう。

予約・契約のタイミングですが、作品ができ上がるのを待つよりも、数カ月後の展示に向けて制作を進めるほうが、制作の速度も気合も上がるものです。「展示したいと思い立ったら、まずギャラリーを予約してしまう」というのは、制作モチベーションを高めるための一つの方法ですね。またギャラリーによっては、直前の予約で、割引が受けられるところもあります。展示できる作品がすでにある場合は、こちらを利用することで費用を抑えられます。また、学生向けに「学割」を設定しているギャラリーもあります。

搬入・設置

搬入・搬出の日程はギャラリーによって「搬入出日を1日設け、午前中に前の人の搬出、午後から次の人の搬入」という場合や「搬入出日を設けず、借りた期間の初日午前中に搬入設置、最終日の夕方〜夜に搬出」など数パターンあります。また、オプションとして前日搬入をさせてくれるところもあります。それぞれのギャラリーによって異なりますので、事前の問い合わせで確認しましょう。

インスタレーションなど、作品の設置に時間が掛かりそうな場合は搬入出日を設けるパターンの前者、絵画作品など簡単に設置ができるならレンタル期間初日に搬入する後者などと、搬入・搬出対応は、ギャラリーを選択するときのポイントの一つにもなりますね。

展示スタート

搬入・設置が無事に済んだら、いよいよ展示スタートです。オープニングパーティーをしたい場合は、パーティー自体が可能なのか、飲食物の持ち込みができるのかも事前に確認しておきましょう。パーティー用軽食の手配の協力や、時間の延長など融通を利かせてくれるギャラリーもありますよ。

会期中は、鍵を預かり自分でオープン・クローズをするところと、ギャラリーのスタッフさんが管理してくれるところがあります。また会期中の在廊が必須になっている(特に前者の場合)ギャラリーもありますので、事前にスケジュールの確認・調整をしておきましょう。在廊時間が案内状作成前に分かるようであれば、案内状に付記すると、来場者への配慮になります。来場者に出すお茶やお菓子などの用意もあるとよいですね。もちろん在廊中の自分用のおやつも忘れずに。

搬出

言わずもがなですが、現状復帰が基本です。壁面にくぎを打った場合は穴の補修もします。指定の穴埋め用パテなど用意してあるギャラリーが多いです。契約の際に破損・汚損の際の補償や修理費についての規定は必ず確認しておきましょう。
大抵、搬入よりは搬出のほうが短時間で行えますが、状況によっては片付けに時間が掛かる場合もあります。首尾よく搬出できるように、梱包材や車の手配などをしっかりしておくことが大切です。

最後に

展示風景の写真は必ず撮っておきましょう。できれば、ちょっといい機材を使ったり、カメラに詳しい人に頼んだりして、きれいに撮ってもらってください。ポートフォリオの大切な素材となり、次回の展示やその後の作家としての発展に役立ちます。