まずは相場の確認から

1:相場をチェック
ギャラリーを借りる際に、一番先に決めておくべきは予算です。そのために、まずは、借りたい地域のギャラリー料金を確認し相場をチェックします。例えば、銀座地域であれば、6日間を単位としてレンタル料金を設定しているギャラリーが多いようです。

2:予算を設定
一概には言えませんが、目安としてまずは展示会全体の予算を設定し、その5割前後をギャラリーをレンタルする予算に充てるようにしておきましょう。開催期間の長さにもよりますが、場所を借りる費用以外にも、運搬費や交通費、チラシ等の宣伝費など、さまざまな経費が掛かります。それを念頭に置いた上で、立地や広さなど、目的に合ったギャラリーを借りるにはどのくらいを見積もっておけばいいのかを決めておき、それからしておきます。

予算が決まったら、具体的なギャラリー探しに

3:立地
多くの人に迷わず来てもらうには、駅やバス停、ランドマークから近い場所を選ぶのが王道です。加えて「徒歩ルートからギャラリーの外観が見つけやすいか」「ルートの高低差」を、申し込み前に実際に歩いて確認しておくとよいでしょう。予算によっては、駅やバス停から遠い場所を選ばざるを得ないケースもあります。その場合、初めて会場に向かう人でも迷わずに到着できるよう、分かりやすいルート案内の入った案内状を用意したり、Google Mapsなどオンライン地図サービスでルート入りの地図を作るなどして、「足を運んでくれたのに、迷って着けなかった」という人が出ないように工夫しましょう。また、作品等の搬入ルートも要チェック。車での運搬が必要になるなら、近くに駐められる場所があるかどうか、確認をお忘れなく。

4:広さ
広さを決める要因は、展示する作品の種類と展示点数。また、個展かグループ展かによっても変わってきます。作品の見え方にも大きく影響しますので、展示する点数に応じた広さ、もしくは、指定のギャラリーの広さに適した展示点数を設定しましょう。作品配置の検討には、Googleの3Dモデリングフリーソフト『SketchUp』や、間取り図を作れるフリーソフトを活用するといいでしょう。

5:天井高・壁面の広さ
広さとともに、確認しておきたいのが天井高です。同じ床面積でも、天井の高さが違えば、空間の広さが大きく異なります。また、壁面の面積も、絵画や書道、版画、写真等額やパネルで展示できる作品数が変わってきますし、サイズが異なる作品を展示する場合のレイアウトの自由度にも影響します。

6:光源
自然光を取り入れられる大きな窓があるギャラリーは、日中と夜とで雰囲気が大きく変化します。一方、地下にあり外からの光源がないギャラリーでは、時間による変化を考慮することなく、作品と光との関係性をコントロールできます。

7:展示空間
美術館のような、白を基調とした箱形の空間、いわゆる「ホワイトキューブ」がオーソドックスですが、作品と調和する雰囲気という視点で展示空間を選ぶのもいいでしょう。例えば、一軒家をそのまま展示スペースにした民家風のギャラリーや倉庫風の場所、古いビルをリノベーションしたギャラリーなど、他とは一風変わった雰囲気を特徴にしているところも多く登場しています。展示する作品によってマッチする空間は変わりますし、空間との組合せを変えることで、あなたの作品に新たな印象を与えられるかもしれません。

8:付帯設備
展示用の什器や展示ボード、スポットライト、壁フック、テーブル、椅子、レールワイヤーなど、ギャラリーによって付帯する設備はまったく異なりますから、付帯設備は事前にチェックしておきましょう。Webサイトで付帯設備まで確認できるギャラリーは少数派のため、事前の打ち合わせや内覧時に、設備・備品のチェックリストを作っておき、借りられるものがあるかどうか確認しましょう。持ち込みできるもので、何度も繰り返し使うものであれば、あらかじめ購入しておいたほうがコスト低減になるでしょう。

9:料金システム
基本となるレンタル料金に加えて、ギャラリー内での作品販売時の手数料の有無や、時間延長時の料金体系、支払期日やキャンセル期限など、金銭的な約束事は必ず確認しておきましょう。

写真や絵画展示の場合

写真や絵画の展示に対応しているギャラリーであれば、天井からのワイヤーや壁掛けに対応した設備が用意されていますが、幅広いジャンルに対応しているギャラリーなどでは、壁にくぎが打てないケースや、天井から吊り下げができないケースも考えられます。その場合、壁面展示用にパーティションを準備する必要がありますので、壁面や天井を使った展示が可能かどうか、あらかじめ確認しておきましょう。

立体展示の場合

建物の1階にあり、入り口や搬入口が幅の広い道路に面しているギャラリーは、搬入・搬出が容易です。もし、2階以上にあるのであれば、搬入できるエレベーターの有無を確認しましょう。搬入・搬出時間帯は、ギャラリーによって決められていることが多く、時間の厳守が求められますので、注意しましょう。