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今子青佳 個展『言葉を燃やす』 筒井康隆『残像に口紅を』より

場所:本で旅する Via ギャラリー [西荻窪~中野] 会期:2025.03.20 - 2025.03.31

「言葉の供養」。一度人体から出た言葉は、どこに消え、消えないのか——。

現代社会において、物が溢れているのは周知である。飽和状態なのにも関わらずアーティストは作品を作り続け、売買が行われている。アーティストは作品を作るだけではなく、作品の最期を考える必要があると考える。2015年のリーミンウェイはゲルニカの砂絵、2018年のバンクシーのシュレッダー、はたまた2019年のマウリツィオ・カテランのバナナ。
これらの作品から着想を得ると同時に、これまでアーティストが発表してきた書を使った作品をもとに、文字を燃やすインスタレーションを発表する。話した言葉、書いた言葉など、一度身体から出てしまった言葉はなくならない。だからこそ人は発した言葉に後悔することがある。言わなければよかった言葉は、記憶の中に留まり続ける。
本作品は、2022年にMGGギャラリー(東京)にて開催した「今子青佳書道展 筒井康隆『残像に口紅を』」をもとにしている。当展覧会では、次々に文字が消えていく世界を描き、最後には名前がなくなることで存在自体も消える長編小説の全文を書き写した全紙約200枚を展示した。厖大な量の文字を書き連ね、そのなかで作家の文体と書家の筆記を感じさせつつ、活字ではない表現を書に託す——。
先人たちによって燃やすパフォーマンスは行われてきた。しかし本作品は、燃やすことを前提としていない作品、ないしは文字が消える小説を実際に燃やす、極めてアクティブな、焚書にも近しい攻撃的な作品である。
その一方で、一度発表した作品を自己の手で失わせる行為は自殺に近い。これまで肉筆を消す作品を続けてきたアーティストの次の段階として、人間と言葉の死を見つめ直す。

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