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阿修羅浄界ASURA SUKHAVATI An Exhibition by SongKun

場所:KIYOSHI ART SPACE [23区内] 会期:2017.07.18 - 2017.08.02

展示概要:
 今回展示されるシリーズ作品「阿修羅浄界」は2015年に中国北京・蜂巣当代芸術センターでの展覧会を成功裡に終え、東京のKIYOSHI ART SPACEが主催する巡回展ではバーチャルな阿修羅群像、畜道「貪婪蛇」、浄土風景における絵画作品、人体模型を使った立体インスタレーション作品「島」、また新生児と衰亡、水中、原始的な自然をイメージとした映像などの要素を集合させたものからできている。
 現代における様々な嘘、悪、醜さ、環境汚染などの極端な社会の現実について、宋琨は「阿修羅」と「浄界」の名を借りて、二元対立である「現代人の阿修羅の人格」と「幽玄の境」を併置したかのようなマジックリアリズム感の空間も作り上げている。阿修羅肖像のイメージは、変幻自在で多彩なスタイルと隠された象徴性を呈しており、さらにイメージを改造させた手法を使い、具象的な情緒描写を回避して、中立的な表象で強調している。そのため、「もののあわれ」の感覚が現れ、美学的な意味での道徳指標を与えるものであり、阿修羅乱相の背後には現実における人間自身の「六道輪廻」への詳細な観察がある。また、宋琨は浄土の風景イメージを処理する際に神秘で静寂な雰囲気を作り上げ、仏教における極楽浄土のシミュレーションを通じて、「浄界」の存在も提示しているのである。
 「浄界」、「阿修羅」、「畜道」それぞれにおいて、より多くのものは開放的で世間化された関連を持っており、その根源は個体の自然の生命と信仰の本質への自覚と菩提心である。宋琨はそれに美学的な指摘を行い、一つ一つの根源的な思考を生み出し、ビジュアル・イメージの姿でいかに善巧方便(衆生を救うための様々な方便)を行うかという道筋を述べている。

アーティスト紹介:
宋琨(SONGKUN)。2006年に中国中央美術学院美術学科油画専攻を卒業し、修士学位を取得。「中国最も注目される70年代以降生まれの新鋭女性アーティスト」と称される。作品は絵画を中心として、映像、インスタレーション、音楽ライブやパフォーマンスなどの表現を結合させたものである。
宋琨は潜在意識と鋭敏な観察力を通してこの時代のイメージを記録し、その作品は中国の伝統と同時代の社会の文脈とを絶妙に結合させ、個体の美しさが隠し持っているプライベート空間が変化する中国へ連携する様子を展開している。それが持つ真実の生命の状態と情感の力は最も他から抜きん出ている点である。作品は一貫して重要な概念である「意識の流れのような叙事」および「潜在意識における停止と空白」を内包している。これは彼女が芸術創作を行う上での重要な構成要素であり、東洋の美学と価値観の伝承でもある。
宋琨は現代の具象絵画のジャンルで少数の自分の独立した絵画言語を確立させた芸術家の一人である。彼女はこれまでいかなる符号や概念の提供も試みたことはなく、「生活から与えられる経験認知や豊かな情感をいかに感じ取るか」を命題として、現段階の中国の独立した手本を提示している。

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